「販売代理」から「購買代理」へ

書店に限らず、小売業全体に構造変革が起こっている。
インターネットの普及を核としたIT(Information Technology)革命は、
産業革命以降、社会常識となっていたメーカー主導の情報伝達手段を、
草の根の消費者の手に解放した。
情報は川上から一方的に流されてくるものではなくなり、
川下から取捨選択でき、発信することさえ可能となった。
川下にそれを望む人がいなければ、
川上から物やサービスを流しても誰も受け取ってはくれない。
そんな消費者(生活者)主導の社会が実現しかかっている。
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書店も過去、メーカー(出版社)の作った商品(書籍・雑誌)で、
問屋(取次:販売会社)から送られてきたものを店頭に並べる、
商品陳列が作業の大半だった時代があった。
「定価販売」のシステムを背後から支える「返品制度」のもと、
”売れなければ返せる”との安心感から、
陳列と返品が作業の中心だった。
メーカー(出版社)は自社の商品を店頭に並べてもらうため、
「特約」という制度で、バックマージンを他社より多く支払うことで、
売場を確保し、売上を確保しようとしてきた。
今、時代は変わろうとしている。
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基本的に自分の買いたい商品を選ぶのはお客様である。
本を選ぶのは読者である。
ならば、「読者の欲しい本を、欲しい時にいつも、店頭に並べておく」のが、
書店の役割であるはずである。
ただ、情報材である本は多種多様であり、
そのすべてを店頭にいつも並べて置くというのは、
「相手が確定していない限り」無理であり、幻想である。
まずできることは、
・「多くの読者」が希望している本を切らさないことと、
・「特定の読者」が抱いているニーズ・ウォンツを引き出し、
  適切な本にナヴィゲートしてあげて、迅速に調達することである。
 書店は出版社の「販売代理店」ではなく、
 書店員は読者の「購買代理人」である。

まず書店員の意識改革から、書店を変えていかなければならないと思う。
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一昨日(6月5日)「択一」の発表があった。
予想通り、法務省のサイトには、私の受験番号は無かった。
最初の「択一」で、合格率は7%台になっていた。
「論文」・「口述」後では1%を切るのは確実で、
200人に1人という結果に近くなるような予感がしている。